SEASON1-10

株式会社 絵画保存研究所

Art Conservation Lab.

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更新日 2014-11-07 | 作成日 2008-04-01

SEASON1 第十回目 

油彩画の調査方法 

絵画の調査の仕方

絵画の調査の際は、まず、絵画が充分平らにしておけるテーブルを用意します。その上に紙または布を敷き、必要に応じて四コーナーにクッションを置きます。調査用ライト・虫メガネ・筆記用具など必要なものも準備します。
次に、作品をその上に置いて額を外します。大きい作品の場合は二人で持ち、クッションの上に静かに置くようにします。
額から絵をはずしたら、両手の手のひらで絵を持ち、机に移動して調査を始めます。

調査の手順

  1. 普通光で見る。熱を持たない明るい光のもとで行う。
  2.  斜光線で見る(亀裂や浮き上がりなどの損傷が分かる)。
  3.  透過光で見る(穴の場所や技法などが分かる)。
  4.  必要に応じ、実体双眼顕微鏡、UV(紫外線)検査灯下、IR(赤外線)カメラ/写真で観察する。
  5.  白黒写真、カラー写真、必要に応じてX線写真撮影。
  6.  必要に応じて素材の科学的分析を行う。
  7.  状態調査書を作成する。記述は短い文章で簡潔に行う。書かれている文字(木枠上、ラベル)も記録する。チェックリストを用いて空欄をうめる方法で行うこともある(専門用語を覚えておくこと)。

uv.jpg紫外線灯による調査風景
ir.jpg赤外線カメラによる調査風景

状態の記録

絵画と額の寸法の計り方
下記は絵画と額の採寸のための各名称。高さ(H)は左辺で、幅(W)は底辺で計る。表示は、H×Wとする。
sumpou.jpg

絵画調査記録の作成
①番号(№)は必ず入れる。所有者の整理番号、受付番号など。
②調査記録には、記述式のものとマーク式のものがある。専門用語に慣れておくことが望ましい。
kiroku.jpg