SEASON2-6

株式会社 絵画保存研究所

Art Conservation Lab.

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更新日 2014-11-07 | 作成日 2008-04-01

SEASON2 第六回目

保存箱

30box01.jpg保存箱

アーカイバルボックス

版画などの紙本作品の保管には、アーカイバルボックスが適切です。マットに入れた紙本作品を箱内に重ねて保存することができます。アーカイバルボックスは、炭酸カルシウムで処理された弱アルカリ性(pH8.0~9.0)のリグニンを含まないボード又は段ボールで作られています。構造は、美術品を保存する下側の箱と蓋から成ります。紙作品が取り出しやすいように、下側の箱の一方が開くようになっている形のものもあります。形や大きさは様々です。紙本作品用に市販されているアーカイバルボックスでは、小さいボックスは15x20cm、大きいボックスは60x80cmくらいのサイズがあります。接着剤を用いると分解して酸性物質などが放出される危険があるので、接着剤は用いないで作られています。作品にアルカリ性に弱い材料が用いられている場合は、アーカイバルボックスが適切ではないこともあるので注意が必要です。紙本作品用の他、書類や本、テキスタイルを保存する目的のボックスが市販されています。

30box02.jpg保存箱の段ボール断面

ペーパー・エンベロープ

ペーパー・エンベロープは、版画や重要な記録などをしまっておける保存用の封筒です。炭酸カルシウムで処理された弱アルカリ性(pH8.5以上)の紙で作られており、繋ぎ目は酸を含まない接着剤でとめられています。サイズは数種類あります。写真のネガやプリント保存用には、よりアルカリを弱めたもの(pH8.5:白黒用)や中性(pH7.0:カラー用)も市販されています。

ソランダーケース

ソランダーケースはアーカイバルボックスより強度がある保存箱です。樹脂分の少ないシナノキ材の板で側面が作られており、上面と下面は無酸のボードになっています。箱の内側には、無酸の白い紙が貼られています。箱の外側は、アクリル樹脂を染み込ませた丈夫な黒い布で覆われており、ニッケルメッキをした金属の留め具とラベルホルダーが付けられています。箱は、開き口を平らにできます。持ち運び用のハンドルがついたケースもあります。

30box03.jpgソランダーケース